チワワの下痢が2~3日以上続くと、飼い主さんはとても心配になりますよね。
小型犬であるチワワは脱水や低血糖になりやすく、早めの対応が重要です。
今回は、「なぜ下痢が続くのか」「自宅でできる対策」「どんな症状なら受診すべきか」「獣医の治療内容や予防方法」まで、読者の疑問をしっかり解決します。
チワワの下痢が続く原因とは?

チワワは食事の急な変更や誤食、ストレス、細菌・ウイルス感染、寄生虫、慢性疾患など、多様な要因で下痢が続くことがあります。まず、フードを変えたばかりの際には腸内環境が揺らぎ、以前に比べて軟便や下痢が出やすくなります。
また、おやつの与えすぎやキッチンのゴミを漁る“誤食”によって、腸に刺激が入り、常習的な下痢を招くこともあります。
ストレスも大きな要因で、チワワが環境の変化に敏感な小型犬であるため、来客やトリミング、引っ越し、騒音などが原因で腸のリズムが乱れやすくなります。
感染症も見逃せません。寄生虫(回虫、コクシジウム、ジアルジア)やウイルス(パルボ、コロナ、ジステンパー)、細菌性腸炎などにより、長引く下痢とともにしぶり腹や血便を伴うケースもあります。
さらに、慢性的な下痢では炎症性腸疾患(IBD)や膵炎、腸管リンパ腫といった内科的疾患が隠れていることもあり、慎重な観察が必要です。
体温が低下しやすい冬季などの“冷え”も免疫機能や腸の調和を乱し、下痢につながる可能性があります。
- 食事が変わった・誤食
- ストレスや環境の変化
- 寄生虫・細菌・ウイルス感染
- 慢性疾患(IBDや膵炎、腫瘍)
- 冷えや寒さ
自宅で取り組める初期対策

初期の対策としては、まず「絶食と水分補給」で腸を休めることが大切です。
12〜24時間程度の絶食を行うことで腸管を落ち着かせ、小型犬のチワワの場合は特に低血糖のリスクに注意しつつ、水はいつでも飲めるようにしておきましょう。
脱水対策としては、必要に応じて電解質入りの専用補水液や薄めたPedialyte®を使用するのも有効です。
腸が落ち着いたら、胃腸に優しい食事として「白米とプレーンチキン(茹で胸肉)」、あるいは「かぼちゃ(純粋なピューレ)」や「茹で卵、じゃがいも、プレーンヨーグルト」を少量ずつ与えていきます。
かぼちゃは食物繊維が豊富で便の固さを整える効果があるため、適切な量を与えるのがポイントです。
さらに、プロバイオティクスを併用すると腸内バランスを整え、回復を早める効果が期待できます。ペット用の天然酵母や乳酸菌、サプリメントなどから適したものを選びましょう。
ただし、人用の下痢止め(止瀉薬)は犬に適しておらず、腸内の有害物質を排出できなくなる恐れがあります。必ず獣医師の判断を仰ぐようにしてください。
獣医師を受診すべきタイミング
下記のような症状が見られる場合は、速やかに動物病院を受診しましょう!
- 12〜36時間以上、下痢が治まらない
- 血便や黒いうんち(タール状)が出ている
- 嘔吐や元気消失、食欲低下を伴う
- 脱水傾向(ぐったり、皮膚の弾力低下)
- 特に子犬や高齢、持病がある場合
軽い下痢や軟便だけの場合でも、24時間以上続くようなら検査を検討し、明らかにおかしければ即受診が推奨されます。
長引く下痢を放っておくと、脱水、低血糖、栄養難吸収による体重減少に加え、腸粘膜のバリア機能の低下から全身感染を起こす恐れがあります。
特にチワワは小さな体であるため、回復力が弱く、重症化しやすい点に注意が必要です。
獣医での検査内容と治療の流れ

受診時には、まず便検査で寄生虫や細菌を検出します。
続いて血液検査で脱水、炎症、臓器機能を確認し、必要に応じて超音波やX線検査、さらには内視鏡と生検によってIBDや腫瘍の可能性を探ります。
治療は原因に応じて、駆虫薬や抗菌薬(メトロニダゾールなど)、抗炎症薬(ステロイド)、皮下あるいは静脈点滴による輸液、さらに療法食への移行、低栄養状態が続く場合にはビタミンB12補充や消化酵素サプリ、異物・腫瘍を発見すれば外科的処置も含まれます。
◆ 検査内容
・便検査:寄生虫・細菌の有無
・血液検査:炎症・脱水・臓器機能
・画像検査(X線、超音波):異物や腫瘍の有無
・内視鏡や生検:IBDや腫瘍を診断
◆ 治療アプローチ
・駆虫・抗生剤(メトロニダゾール等):感染対応
・抗炎症薬(ステロイド):IBDなどの場合
・皮下点滴・輸液:脱水対応
・療法食への切替:慢性問題に対応
・科手術:異物や腫瘍の摘出
・サプリメント(ビタミンB12、酵素):吸収改善支援
日常生活でできる予防策

日々の生活で下痢のリスクを減らすには、以下のような習慣が重要です。
まず、フード変更は段階的に行い、突然の変化を避けること。
定期的な駆虫やワクチンの管理、ゴミ箱や散歩コースなど誤食のリスク対策も必須です。
また、チワワはストレスに弱いため、環境を安定させる工夫(静かな休息場所の確保、無理な運動・騒音の回避)が下痢予防につながります。
季節の変化に合わせて服や室温管理をして冷えを防ぐのも大切です。そしてプロバイオティクスや低アレルゲンの療法食を日頃から取り入れることで、腸内バランスを維持することができます。
- 給餌の管理:急なフード変更は避け徐々に切り替え
- 定期的な駆虫・ワクチン接種
- ストレス軽減:生活リズムや環境を安定させる
- 寒さ対策:服や室温管理で体温低下を防ぐ
- プロバイオティクスや療法食の活用:腸内環境を整える
まとめ
チワワの下痢が続く原因と正しい対処法を詳しく解説!

チワワの下痢が続く場合、その原因は食事の変化、誤食、ストレス、感染症、寄生虫、IBDなど多岐にわたるため、飼い主としては初期に適切なケアが重要です。
まずは12~24時間の絶食と水分補給、白米+鶏胸肉やかぼちゃなどのやさしい食事、そしてプロバイオティクスの併用で腸を休ませながら回復を図りましょう。
それでも48時間以上改善しない、あるいは血便や嘔吐、脱水、ぐったりなどの症状がある場合は、速やかに動物病院を受診してください。
獣医師の下では便検査や血液検査、画像診断を経て、駆虫、抗菌・抗炎症薬、輸液、療法食、サプリメント、場合によっては外科処置などを組み合わせて治療が進められます。
脱水・低血糖・栄養不足などのリスクを防ぐには、日常的なフードローテーション、衛生管理、ストレス環境の整備、寒さ対策、プロバイオティクスや療法食の活用が効果的です。
チワワの健康とQOL(生活の質)を守るために、愛犬の体調変化には敏感になり、小さなサインも見逃さずにケアしてあげましょう!
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